白ホリゾントの塗装

スタジオ業務は地道な作業の連続です。
白ホリゾントの塗装がその最たるものでしょう。
専用ペンキを水に溶かし、
ローラーで端から端まで丁寧に塗っていきます。

作業に没頭し過ぎると、視界が真っ白なために、
遠近感が失われていく瞬間があります。
どこまで塗ったのかが一目で分かりません。
そんな時はゴルフプレイヤーが芝目を読むように、
腰を落としてかがみ込み、塗料の反射で見分けます。

千里の道も一歩から、
いえいえ、大した距離でもありませんが、
塗り終えた後に、真っ白なホリゾントを見ますと、
いささかの達成感に包まれます。

地道な作業の連続が、いずれは、
スチールや映像の作品に直結することを思えば、
さしずめ「スタジオは一日にして成らず」の気概であります。